秋に登りたい紅葉の山
心掻き立てられる絶景に会いに行く
桜前線の到来と紅葉の動向、どちらも心揺さぶられるトピックス。季節の移ろいを重んじる、日本人の心のようなものがうずくのだろうか。
いつもの景色が、着替えるようにさあっと見違えるから、その変化を見逃したくなくてこの季節は必死に出かけてしまう。
花霞む春もいいけれど、秋の紅葉はドラマティックな色彩の競演が目に楽しく、いろんな風景と一緒に見たくなる。高い空の青、険しい山の灰色や白、針葉樹の濃い緑、水辺の反射光…これらと組み合わさった赤や黄色のグラデーションは実に見ごたえがあるだろう。もう、山に行くしかない。絶景に会いたくて、いちばん山歩きをしたくなる季節でもあるかもしれない。
思い切ってあこがれの地へ
せっかく紅葉を見に行くなら、憧れの絶景を見ておきたい。大雪山、涸沢、八幡平、あの有名スポットに泊まってじっくりと、朝に夕に違う魅力ある紅葉を満喫できたら素敵だろう。
泊まるとなると、やはりしっかりとした準備が必要。コースの下調べという準備はもちろんだが、長い間山に入るのだから、装備一式が万端でなければならない。
きっとハイシーズンの山小屋は混雑していて予約も一苦労だろうから、この機会にもうすこし自由度の高いテント泊にチャンレンジしてみてもいい。そうなったらまずは道具の点検・準備だ。
テント、寝袋・マットに、食料と調理器具、そして着替え…たくさんのギアをそろえる、その過程がすでに楽しい。
全部が入って快適に背負えるザックも選ぼう。靴も、高所・長時間の歩行に耐えるものを選んでおかなければ。天候の変化に対応できるシェルジャケットは大丈夫だろうか?夕食は自分流の山ごはんクッキングにチャレンジしてみたい。そうそう、絶景をおさめるカメラも忘れず持っていこう。
山旅の準備は楽しい。なにかわからないことがあったら、ナムチェバザールで相談してみよう。
一日まるまる紅葉漬けの小旅行
一日あれば、どこまで行けるだろう。隣の県の、そのまた隣の山くらいなら満喫できそう。ナムチェバザールのあるここ茨城からだったら、日光・尾瀬・那須、安達太良・吾妻、ちょっと頑張って群馬や新潟くらいなら行けるはず。
せっかく行くなら、山を降りたあとも満喫したい。紅葉の山歩きで爽快な汗をかいたら、ふもとの温泉でリフレッシュ。平地に降りてしまうと、紅葉には少し早いかもしれないけれど、雰囲気ある街なみを散策して、おいしいものを食べて、かわいいお土産をみつけて、そういうふうに楽しめたらちょっと素敵だ。
山歩きのザックに、温泉のタオルと小分けにしたアメニティもイン。あとアレンジの効くウェアをコーディネートして、山も街もおしゃれに歩こう。紅葉の山道、山頂からの絶景、山カフェしてみた風景に、日帰り温泉とレトロな街並み、どれもこれも写真映えしすぎて、この日のストーリーズはもう完璧。
おしゃれだけどちゃんと歩ける道具のチョイス、そしていかにスマートに荷物を詰めるかがキモになりそう。お店でしっかり相談すれば、けっこう上級者な旅プランニングができそう。
すぐそばにある隠れた絶景
県内の紅葉は比較的遅めで、ひとしきり遠くへ行った後でもじゅうぶん楽しめるからうれしい。
ちょっと奥まったところでも、車で1時間前後あれば訪ねられるのが一番の魅力だ。筑波山、奥久慈・大子、竜神峡などの有名どころを素直に見るのもいいけれど、ひっそりとした水辺や低い山の晴れ姿を見つけて独り占め気分に浸るのもいい。
花貫・花園渓谷や御前山、籠岩なんかはメジャーなほう。常陸太田や常陸大宮、高萩、大子、北茨城に日立、茨城の県北地域にはちいさな名所がたくさん眠っているから、紅葉を機会に自分のお気に入りスポットを開拓してみるのも楽しいだろう。茨城県北ロングトレイルプロジェクトでは、そんな地元の魅力あるトレイルをひとつなぎにするべく活動が始まっている。地元民としては見逃せないプロジェクトだ。
新たなスポットへアクセスするのに、思い切って自転車で行ってみると、冒険の幅がぐんと広がる。バイクと組み合わせてトレッキングでも、トレランでも、キャンプでも。車を停めなきゃ、と思わない分身軽で、自転車の手助け分、荷物が多くなっても平気。地元をすみずみまで、いろんな遊び方で遊びつくしてみてはどうだろうか。